Tデザイン社 西蔵電気筆録

沖縄県は八重山郡 石垣島に開設したデザインオフィスから発信する業務日誌改め、ドイツはミュンヘン市に居を移して発信する

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ふるさとは遠くに在りて思うもの。恋愛は近くありて想うもの?

東京に出て半年あまりの頃。ボクはソウル三昧レコード三昧ギャンブル三昧に明け暮れていて居候先にも碌に帰らず かなり享楽的な日々を過ごしていたのであるが、そんな折、札幌に残してきたカノジョが友だちとデキてしまったとの一報が郷里より届いた。世間一般で言うところの『カノジョの浮気』である。

上京した当初こそ「さびしい」だの「会いたい」だのと泣き言を入れに電話してきたくせに最近はさっぱり連絡してこなくなったなぁ、などとカノジョのことを思い出していた矢先の出来事だった。

ま、確かにこちらに連絡しようにも携帯電話などない時代の話であるからレコード屋か職場か競馬場か雀荘ぐらいにしか居ない奴に連絡をとる手段はほとんどないわけであるから、あちらにしてみれば一体何処で何をやってるのかわからないボクへの不満や不安が昂じるのは然るべきことであり、そんな悩み相談をしているうちに友とデキちゃったらしい。

なんだか何処かで聞いたような話じゃないか。

遠くの彼氏より近くの友人。恋愛なんて所詮近くに居てなんぼのもの。心身を別の問題として捉える事の出来ないボクとしては遠距離恋愛なんてものは端っから信じちゃいなくて、カノジョと友がデキちゃったと聞かされても怒りがこみあげるでも嘆くでも悲しむでもなくて、やっぱり必然としか思えなかったのである。

そう。遠く離れてまともに連絡も寄こさない奴を待つ道理なんか誰にもない。誰にも縛られたくないボクは誰も縛りたくない。恋人だろうと友だろうと家族だろうと誰かを縛る権利など誰にもない筈だが、ボクが育った札幌ってところはヤンキーカルチャー興隆著しい土地で、どうかするときつく束縛拘束しあう事こそが真実の愛みたいに胸の一つも張って語られたりするからボクは学生の頃よりそれが気に入らなくてしょうがなかった。

昨今で言えば、相手の携帯電話をチェックするのは当然のこと、仕方のないこと、ついやっちゃう事みたいにして半ば肯定的に捉えている人が世間には多いけれど、ボクにはそれが信じ難くナンセンスな行為としか思えない。仮に相手の浮気を知ったからどうなると言うのだろう。我が誠の愛を踏みにじったと怒鳴りつけるのか。もう二度とやるなと誓約書でも書かせるのか。浮気相手を刺しに行くのか。なんにせよ不毛である。

相棒が浮気をして、浮気をするだけにとどまらずそのまま自分から離れて行くのならばそういう縁でしかなかったと言う事だ。遠く離れて頬すら触れず、髪の毛の一本にさえ触れもしないのに、ただ相手の行動を縛り付けることでしか続かぬ関係なら要は壊れるのは時間の長短の問題でしかないってことである。そんなしょーもない関係を維持するために貴重な時間を割いて相手の行動を検査し、確認し、監視することで大して太くもない神経を摩り減らすのは正味消耗でしかなくて、それを真実の愛ゆえだと語る人たちの言葉の裏側あたりでチラチラと見え隠れしているのは本人の手にも負えないほどに肥大化した幼児性ばかりじゃないか。

自分を見て欲しくてしょうがない子供たち。共に過ごす相手が何を考えているのか何を感じているのかなんてどうでもいい子供たち。誰がどれだけ痛い目を見ようと自分が痛い目をみるのは我慢ならない子供たちの姿。

カノジョも友も、そしてボクも時の流れに身を任せているに過ぎなくて、誰かが誰かを裏切ったわけでもなければ誰かを陥れようと企んだわけでもない。ボクと恋人の縁はそういう縁だったのだし、例えカノジョと寝ようと友はやっぱり友でしかない。



ほらね、ボクは誰の心もカラダも縛らないよ。

一回だって縛ったことなんてないだろう。

だからね、ボクのこともどうか縛らないで欲しいんだ。



そのようにして一瞬だけ感慨深くなったもののカノジョのことを考えるのはそれで終いにして、浮気の一報をもらった翌日の日曜もボクは予定通りに府中競馬場へと出掛け、予定通りに勝馬投票券を購入し、ギャンブル三昧を満喫したのである。

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