Skulptur und Design さいぞうちゃんのブログ

沖縄県は八重山郡 石垣島に開設したデザインオフィスから発信する業務日誌改め、ドイツはミュンヘン市に居を移して発信する在独邦人日誌
art.by.saizou@gmail.com

| CALENDAR  ENTRY  COMMENT  CATEGORY
ARCHIVE  LINK  PROFILE  OTHERS  RECOMMEND
石垣牛 大バーベキュー大会を批判する
以前にも少し触れたが、今年の11月 石垣市長肝いりで石垣牛を使った大BBQ大会が催されるそうだ。元々の計画ではギネスに挑戦と銘打って肉10トンを二万人近い参加者で平らげるという話だったのだが、ギネス記録を狙うには10トンどころか13トンの肉が必要という事になってあえなく断念。それでも何故かギネスにこだわる市長サイドが今度は串焼きの長さでギネスに挑戦すると言い張り、9mだか10mだかの石垣牛の串焼きを作って市民みんなでそれを食べてギネス記録をつくり、そんなビッグで魅力的なイベントを日本中に広く告知し、石垣牛を広く知っていただき、それをもってして近年落ち込みの続く沖縄観光・離島観光再浮上のための呼び水にしようというそれ相応にポジティビティ溢れるお話である。

この話の要点は三つ。

まず、ギネス記録に挑戦ってこと。
二点目は石垣牛をセールスしようってこと。
で、三点目が観光誘致の起爆剤にしたいと市長サイドが目論んでいるという事。

最初のギネス記録はどうもこうもない。単なる記録の話であり、そこに有名(なギネスブック)とか権威(あるギネスブック)とか色々と余計な肩書きをくっつけようとも記録は記録でしかなく、良いも悪いもない。記録の登録に掛かる諸費用も取り立てて騒ぐほどのものでもないだろう。だが敢えて言うなら今更なぜギネスなのだろうか?

はっきり言えば時代遅れだ。時代遅れで構わないものも世の中にはあるが、ギネスの如きただ単に数量くらべの世界一争いなんてものは、エコだ環境だスローライフだとやってる時代にはまったくそぐわないし、数量争いなんちゅうものは所詮は男根の長さ比べでしかなく、婦女子からくだらないと言い切られてしまえばそれまでってお話でしかない。


二点目の石垣牛のセールス。これもちょっとおかしい。変だ。妙だ。
なにがチョット変で奇妙かって、もしも本気で石垣牛をセールスしたいのならば島外に持ち出すべきなのだ。島の外へ肉を大量搬送し、各都道府県の財界人や為政者を前にして焼いて煮て食べさせて、そこで一席ぶてば良いのである。「セシウム汚染牛が問題となっている昨今、我が石垣牛は安心安全の上に極上の旨さでございます。貧乏人には汚染牛でも食わせておきましょう。だが皆様の如きセレブの方々には選んでいただけると私は確信しております。石垣牛。少々高値でございますが、被曝の怖れはございません。検査なしで安心して食べていただけます。どうぞ皆様、石垣牛をよろしくお願い致します」と45秒ぐらい頭を下げたままステージ上で立ち尽くせば石垣市長は希代のヒーローである。今や日本じゃそう簡単に手に入らない安心で安全な牛肉を供給してくれる英雄である。石垣牛を本気で売り込みたいなら何故そうしないのかボクには不思議でならない。


第3の観光誘致の起爆剤。
これは論じるまでもない。笑っちゃうぐらいの話でしかない。食糧難の戦後まもない頃じゃあるまいに、ギネスに挑戦と銘打とうと打つまいと今時BBQ大会で観光客が大規模に誘致できると思っているなら御目出度いとしか言いようがない。なればこそ観光誘致の起爆剤なんて事を市長がマジに言ってるのだとはボクは捉えていない。ギネスとかセールスの体裁をもっともらしく整えるために仕方なくでっちあげただけだと思っている。だいたいが、一年に一度だけやる大BBQ大会が日本全国に知名度をもつなんて事がある筈がないし、仮にあったにせよ、狙ってそれが出来るならば全国の自治体に過疎や観光客の減少で苦しむ市町村なんて一個もなくなるだろう。


ま、今般の石垣牛BBQ大会が間違っても我田引水なんて話じゃない事をボクは願っているし信じている。市長の選挙を応援したお仲間に石垣牛取扱い業者が多数いるなんて事はこの話と無関係であると胸を張って主張し、本稿の締めとするものである。
| 13:31 | 石垣島 | comments(7) | trackbacks(0) |
Comment








何点か読ませていただきましたが、
西蔵さんのブログ面白いですね。

バーベキューは僕も良くわからないというか、被災地に持ち込んで支援したほうがよっぽど宣伝になる気がしますけどね。
posted by アラキ | 2011/08/01 5:33 PM |
アラキ様
コメントありがとうございます。お褒めの言葉もありがとうございます。起業当初は仕事ネタも多かったのですが、最近はすっかり反体制ブログみたいになってきているので少し軌道修正しようかと思っているところです。

BBQはダメダメな企画ですね。この計画の首謀者たる石垣市長は個人的につながりもあるので情としては応援もしたいし、理解もしてあげたいのですが、理を立てれば全くダメな企画ですね。石垣牛販売業者が一時的に潤うだけで、それ以外の誰の益にも得にも糧にもならない しょーもない企画ですよ。こんな脱力モノの企画でも税金から500万円の補助金が捻出されるわけで…返す返すも残念でなりません。


posted by saizou | 2011/08/06 3:08 AM |
石垣牛と美崎牛どちらか選択して食べれるんですかね?観光客にしてみれば石垣牛=あのJAのシールが付いたのとかサミットで出たのと思いますが。
間違って美崎牛を食べたらちがうーってことになりませんかね???良くわかりませんがこのイベント意味なしと思う私です。
posted by ちゃんぷるん♪ | 2011/08/19 12:09 AM |
ちゃんぷるん様

コメントありがとうございます。最初に断っておくとこのBBQ企画についての事実関係はあくまで大雑把です。例えば『首謀者たる中山市長』なんて本稿では書いてますが、それは企画を立てたのが誰かなんて事実は横に置いて、責任者としての意味で首謀者と呼んでいるわけです。巷ではそこらの事実関係にツッコミを入れて「西蔵はわかってねぇなw」みたいにして悦に入ってる者が若干名いるようですが、わかってないのはオマエらだよってところです。

なんて面倒な展開になることからも読み取れるように、基本しょーもない企画であることは鉄板だと思います。結果オーライで行けばよいですが、ギネス記録の認定さえもらえないような駄目駄目な結果とならないよう祈るばかり。500万の助成金使うわけですから、それって出所はやっぱ税金ですから、その使い道や使い方や責任の所在を監視されたりチェック入れられたりするのは道理というものでしょう。

ま、道理が通らない世の中なんで、そういう期待ももはやしなくなって久しいですけどね。
posted by saizou | 2011/08/19 12:49 AM |
ちゃんぷるん様、ひとつ書きもれました。
今般のBBQ企画、使用牛肉は石垣牛限定です。美崎牛は使われないそうです。ま、そのあたりの事情を鑑みてもやっぱりショーもないでしょ。ショーもなさ全開ですね。

ま、ぶっちゃっけ言っちゃうと石垣牛ブランドの成り立ちからして農家搾取組合たるJAの欺瞞バリバリですからね。なんてことまで言うとあちこちに軋轢が生じるのでこれ以上は書きませんが、興味があれば是非調べてみてください。ま、かなりドメスティックなネタなんでネットにもあまり出てない話ですけどね。
posted by saizou | 2011/08/19 1:03 AM |
返信ありがとうございます。こちらでの某スーパー沖縄フェアでのチラシは仲井間知事の顔写真と共に知事の一言が入っていました。都内のデパ地下で中山市長がJAの方と共に石垣牛フェアをしたほうが私もTVやワイドショーで取り上げられる確立が高いと思っています。
posted by ちゃんぷるん♪ | 2011/08/19 9:03 AM |
管理者の承認待ちコメントです。
posted by - | 2011/08/29 6:58 PM |
Trackback
この記事のトラックバックURL: トラックバック機能は終了しました。
<< NEW | TOP | OLD>>
ツイート