Tデザイン社 西蔵電気筆録

沖縄県は八重山郡 石垣島に開設したデザインオフィスから発信する業務日誌改め、ドイツはミュンヘン市に居を移して発信する

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西蔵電気筆録「今生の別のロジック」
 俺らは歯車か?
そんな命題は今更ボクが取り上げるまでもなく、有名無名を問わず世間の皆様が散々議論し尽くされた観さえある。良いも悪いもない。ボクらは確かに社会の歯車だ。会社の歯車である。それに何ら異論はないし、むしろ肯定的に歯車でいようと思う。

歯車は故障したり不具合が有ると交換される。それもよしとしよう。

しかし社会や会社を機械として、ボクらを歯車として、そういうロジックを採用するならば機械設計者は誰なんだろうか。歯車が故障するのは一義的にも二義的にも歯車が悪い訳ではない。機械設計者が悪いのだ。そいつがボンクラだから故障の多い機械を設計する。

というわけで歯車の日常風景を振り返ってみよう。
出来の悪い歯車は仕事の憂さを霽らそうと酒を飲み、ついつい飲み過ぎて、毎日毎晩飲んじゃってアル中となり、いっぽうでは少ない身入りを増やそうとパチンコや競馬に嵌って借金をこさえる者たちがいる。そこまでいかずとも一生懸命働いても僅かな蓄えしか残らず、やる事なす事うまくいかずストレスを抱え、身近な我が子や伴侶や親などに辛くあたっては、時に斯くも出来の悪い我が姿を鏡で確認したりして呪いの言葉が口をつく。「やってられねぇんだよ!」

日常。毎日。いつもの光景。至極あたりまえの出来事。斯くの如き不出来な歯車はそこらに何十個でも何百個でも転がっている。もし、そのような例は見た事がないと言う人がいたらその人はわかりやすい嘘つきか、もしくは一族郎党が栄華を極める誉れ高き家に生まれた気高き者のどちらかだろう。

歯車が狂い、歯車が壊れる。歯車の設計者は私のせいじゃないと言う。しかし誰が責任逃れしようとも壊れる歯車の残骸はボクらの傍らにどんどん積みあがる。これからはもっと拍車がかかる。

果たして歯車が悪いのか?
歯車の出来が悪いのか?
歯車が不具合を起こすのは歯車に原因があるのか?
否。制度設計者が悪いのである。

考えてもみてほしい。出来の悪い歯車がパチンコで借金を抱えたとしてそんなものはたかが数十万とか数百万とかである。横領だ賄賂だ背信だ天下りだで大金庫から金銭を抜いてる制度設計者たちが手にする金の数十分の一、数百分の一、数千分の一に過ぎないではないか。出来の悪い歯車はたかが数十万とか数百万とかのはした金のせいで社会の落伍者の烙印を簡単に押され、ダメ人間と後ろ指を指される。かたや制度設計者を自認するものたちは湯水のごとく無駄金を使い、浪費してみせては「これが豊かさである」などとうそぶいては胸のひとつも張って見せる。


これは不均衡だの富の配分だのに問題があるわけではなく、設計者の体たらくと能力の低さ。これに尽きるのではないかとボクは考えます。生まれてくるときボクらはただ一人の例外もなく制度の中に生まれてきます。制度に入るか否かを自分で選択してどこぞの国籍や市民権を得ているわけではなく、産まれてくると親が勝手に名前を決め、容赦もなく戸籍に氏名を書き込まれ、義務と責任を持たされて、適当に身体が大きくなったあたりで成人と見做されて納税義務を背負い込まされ、そして社会に放り出される。これが見まがう事なき実態であり実情です。

そりゃ巧くやれる者もいるでしょう。しちめんどくさい事は適当にさばきつつ、頑張りどころを踏まえ、要領よく首尾よくやれる者が良質な歯車であり、制度設計者が期待してるのはそのような者たちです。

おそらくはボクも又その中の一人だと思います。とは言っても品質維持ラインのギリギリぐらいに引っかかってるだけ。歯車として交換されたり外されたりは確かにしなかったけれど、ボクは自分の周囲にごろごろ転がる前述の如き壊れた歯車やネジを見るたびに我らが世界の制度設計の拙さ 酷さ しょーもなさに憤りを覚えないわけがありませんでした。


この稚戯のごとき珍妙で嗤っちゃうような最低ランクな制度設計世界でうまくやってる奴がどれだけいるのかボクは興味がないからわからないけれど、うまくやれない奴はいくらでも知っています。アル中やパチンコ破産なんてわかりやすくてまだましと思えるくらい。

うまくやれないヤツの大半は本人がその自覚さえないから誰の目にもその病理は鮮明には映らない。でも、よくよく見詰めると見えてきます。例えば、一向に効果をあげないダイエットやエステに年収以上のお金をつぎ込んだり、医者の勧めるままに検診を受け、複数の薬を飲み分け、二本三本と保険に入っても尚解消されない不安をもてあましていたり、テレビ番組に感動させてもらう事をやたらと求めたり、アホみたいにテレビのチャンネル行ったり来たりさせながらメシ食ってたり、移住先や引越し先で地元の人に憤懣やるかたなくトラブルばっか起こしたり、終日FaceBook開いてはせっせとコメント書き込んでいたり、金の斧やなんとかのつるぎ買い込みすぎてネトゲー破産したり、まだまだあるけど、うまくやれない病理は色んなカタチをしてボクらの半歩後ろをくっ付いてくる。

でも、これらの人たちにはほとんどその自覚はない。うまくやれてない自覚がないどころか、自分はこの世界でたいそう上手くやれている筈!とまったく逆の事さえ思い込んじゃってる。そう。つまり、上手くやれているか否かの基準はけっして収入の問題じゃない。うまくやれない事と収入に一定の相関関係はあるでしょう。でも因果関係はない。ボクはそう捉えています。



ガタンゴトン。振動しながら動く大きな大きな機械。
外れた歯車。機械の隙間から転がり出て、床に落ちる。
そこにあるのは幾つもネジや錆び落ちた鉄片。長い髪の毛。剥がれた爪。涙。血。
機械を動かす者も、機械を作った者も、誰も床などには目もくれない。
機械が変な音を立てたり、動きが悪くなるとドンッドンッと叩く。何度も叩く。幾度も叩く。
目先のコストを重視する機械マネジャーたちはメンテナンスなど気にしない。
壊れるまで稼働させる。壊れるまで電気スイッチを切ろうとしない。

叩いた機械が再び動き出すと彼らは「ラッキー」とうそぶいて、また忙しそうに動き回る。



5年ばかり続いた西蔵電気筆録は本稿をもちまして終了です。
長い間読んでくださった方にも最近の読者の方にも感謝をいたします。
当初、仕事用と思って始めたブログでしたが、311があり、その後の混乱期を経て、気がつくととても仕事のご紹介と呼べるものではなくなっていました。これより仕事の場を海外へと、ネットへと移しまして新たなブログを始める予定です。今度はちゃんと仕事のご紹介ができるものになればいいけれど、さてどうなることやら。

ちなみに石垣島を愛してやまないボクですので島に仕事の拠点を残しておくのは言うまでもありません。Tデザイン社も伊原くんがそのままに稼働いたします。ボクとしては「ちょっと島をあける」そういう感覚です。

西蔵電気筆録を読んでくださった皆さん、さようなら。またいつか。










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Comment








面白かった。ありがとう。
posted by 中野 | 2013/06/02 3:55 AM |
スカイマーク就航初日の那覇便に乗って、石垣から旅立たれた・・・と聞きました。
別サイトの「八重山見聞録」の頃からのファンとしては寂しいですが、どうぞ健康で、お元気でご活躍ください。。。
posted by PON | 2013/07/18 9:15 AM |
いってらっしゃい!
posted by numata | 2013/07/18 2:44 PM |
noriさんのツイートで拝見。こちらのurlがあったので楽しみに来てみました。が、長期にお留守のご様子なのでちょっと残念でした。ヨーロッパでたとえ雹が降ろうと寒かろうと、日本で心や背筋が寒々するよりは人間的な悩みの体温を感じるのでないでしょうか。ヨーロッパが穏やかな頃にもっとぶらりと出かけていたらと最近思うのです。
posted by Keiko | 2016/07/30 1:02 PM |
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